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今回は、「釉薬の重ねがけと模様、酸化焼成と還元焼成」です。
陶芸作品に1種類の釉薬(ゆうやく)も、シンプルで良いんですけど、重ねがけなどで変化させたい時もありますよね。
今回は藁白(わらじろ)に辰砂(しんしゃ)をご紹介します。
辰砂は、酸化焼成(さんかしょうせい)で緑に、還元焼成(かんげんしょうせい)で赤に発色する、不思議な釉薬です。
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辰砂は、「丹(に)」とも「賢者の石」とも呼ばれた貴重な鉱物
辰砂は、本来は「賢者の石」とも呼ばれる赤い鉱物です。
なんだかロマンチックですね。
水銀の重要な鉱石鉱物で、日本では古来から「丹(に)」と呼ばれたそうです。
不老不死の薬になるとかならないとか?
水銀ですから毒ですが、陶芸で使う辰砂釉は、水銀ではなく、銅を含んでいます。
還元焼成で、鉱物の辰砂のように赤く発色します。
還元焼成とは、窯の中に出来るだけ酸素が入らない状態で焼成する方法です。
酸化焼成ではさわやかな緑色に発色する辰砂
還元焼成に対して、酸素が十分な状態で焼成することを、酸化焼成といいます。
辰砂釉は、酸化焼成ではさわやかな緑色に発色します。
私はどちらの色も好きです。
ただ、重ねがけするときや模様として入れるときは、やや厚く塗らないと、うまく発色しないようです。