陶芸には様々な技法がありますが、「掻き落とし」は私の好きな技法のひとつです。
「掻き落とし」は、色の土(たとえば赤土や黒泥など)に白化粧をかけ、鉄筆やヘラで引っ掻いて模様をつける技法です。
白化粧の下の色土が現れて、くっきりした模様が現れます。
絵の具や釉薬の着色で華やかな「掻き落とし」
そのままでも良いのですが、私はよく掻き落とした線を縁取りのように使って、陶芸用の絵の具で色をつけて華やかにします。
織部の緑を葉っぱに使ったり、釉薬を絵の具のように使うこともあります。
絵の具だけだと、下手をすると塗り絵のようにのっぺりしますが、釉薬だと雰囲気が出るので、私は好きです。
ただ、釉薬ですから、流れたり滲んだりしやすいという欠点もあります。
自分流・椿模様の絵皿の作り方
「掻き落とし」で8寸(直径約24cm)の椿の絵皿を作りましたので、作り方とともに、ご紹介したいと思います。
1.ろくろでひく
赤土で直径30センチの皿をろくろで挽く。乾燥、素焼き、焼成で縮んで、直径24〜25センチくらいになります。
2.白化粧を吹きかける
乾燥後に高台を削って、表に白化粧を吹きかけます。
テカテカしない程度に乾いたら、また吹きかけ、適度な厚みになるまで吹きます。
ドライヤーで乾かしながら吹いても良いです。
ズブがけでも良いのでしょうが、化粧がけで土が崩れることもあるので、吹きかけにしています。
しかし、このくらいの大きさになると、ホッペが痛くなる!
コンプレッサーが欲しいです!
3.下絵を描く
数時間置くか、ビニールに包んで数日乾燥させ、白化粧が程よく乾いたら下絵を描きます。
この時、鉛筆で書くと後が残ることがあるので、私は100均の筆ペンで書いています。
バランスを見るために、椿の型紙を作って、位置を見ながらなぞっていきます。
4.鉄筆で掻き落とす
下書きが完成したら、鉄筆で掻き落とします。
5.素焼きする
掻き落としが終わったら素焼きします。
6.マスキングし、瑠璃釉を吹きかける
素焼きが終わったら、花や葉の部分をマスキングし、瑠璃釉を吹きかけます。
7.釉薬で着色
マスキングテープを剥がして絵の具や釉薬で着色します。
花はヒューステンのベルベット下絵の具、葉の部分は織部釉を使っています。
8.透明釉を吹きかけ
着色が終わったら、表に透明釉を吹きかけ。
絵の具は釉薬をはじくので、その部分は重ねて吹きかけます。
9.裏は、瑠璃釉を吹きかけ
裏は、瑠璃釉を吹きかけ、黒釉を重ねて、グラデーションを狙いました。
10.酸化焼成
酸化焼成で本焼きして完成です。
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